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『きみの鳥はうたえる』レビュー

 第三十三回目のレビューは『きみの鳥はうたえる』(三宅唱、2018年、106分)についてです。「新宿武蔵野館」という映画館で観てきました。公開中ですので、気になる方はぜひ!
 原作は佐藤泰志の同名小説。佐藤泰志は主に函館を舞台にした小説を書き、41歳のとき(1990年)に自殺した作家なのですが、近年再評価され、作品が次々に映画化されてきました。『海炭市叙景』(熊切和嘉、2010年、152分)、『そこのみにて光輝く』(呉美保、2014年、120分)、『オーバー・フェンス』(山下敦弘、2016年、112分)、そして本作。『きみの鳥はうたえる』というタイトルは、原作にも登場するビートルズの曲”And Your Bird Can Sing”から来ているらしいです。劇中ではたぶん流れてなかった気がします。

 ストーリーは以下。
 かつてのアルバイト先で知り合った静雄(染谷将太)とルームシェアをする「僕」(柄本佑)は、本屋で働くフリーターで、夜な夜な静雄と飲み歩き・遊び歩きをしていた。ひょんなことから同僚の佐知子(石橋静河)と肉体関係を持つことになり、曖昧で気楽な関係を結ぶことになる。そこに静雄を加えた三人で、やはり夜な夜な飲み歩き・遊び歩く夏の日々。「僕」は漠然とこの夏の日々が、三人の心地の良い関係がずっと続くように感じていた。――

 たいへん素晴らしい映画でした。さわやかで甘酸っぱくエネルギーに溢れた青春映画とは違った、なんとも言えない閉塞感に襲われるような青春映画ですが、これもまた立派な青春だなと。これはやはり公開している夏に観るのがよいと思います。
 柄本佑、染谷将太、石橋静河の三人の演技が素晴らしかったです。三人の微妙な関係性などを巧みに反映させた演技は、とても自然で、すっと映画の世界に没入することができます。三人ともこれからの日本映画でさらに活躍すること間違いなしでしょう。ちなみに石橋静河は映画初出演が2016年の駆け出し女優。昨年公開した『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(石井裕也、2017年、108分)で一躍有名となりました。
 キネ旬で4位になりそう、なんとなくそう思いました。
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