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『日本のいちばん長い日』レビュー

 第三十回目のレビューは『日本のいちばん長い日』(岡本喜八、1967年、157分)についてです。昨日の8月15日は終戦記念日、それにちなんで観てみました。終戦から73年、映画公開から51年、30年続いた平成も終わります。平和への想いを新たにして、次の時代に臨みたいものです。

 ストーリーは以下。
 1945年7月26日、米・英・中の三ヵ国首脳によって「ポツダム宣言」が発表された。鈴木貫太郎(笠智衆)内閣は当初、宣言を黙殺し、戦争継続する構えであったが、8月6日の広島への原爆投下、9日の長崎への原爆投下とソ連の参戦によって戦争継続は不可能になり、宣言を受諾するか否かで閣議は紛糾する。幾度かの閣議や御前会議を経て、8月14日に再度御前会議が開かれ、正午、昭和天皇(八代目松本幸四郎)は宣言を無留保受諾を決める。そして、「日本のいちばん長い」24時間が幕を開ける。
 決定に最も反発したのは陸軍省であった。決定を不服とした一部の青年将校たちは、終戦へ向けて着々と準備が進められる裏で、各地をとびまわり、東部軍や第一・第二総軍、近衛師団などの要職につく将校を説き伏せ、協力を仰ごうとしていた。陸軍が立ちあがり、皇居を占拠して、天皇にもう一度考え直してもらうためである。
 畑中少佐(黒沢年男)の説得によってクーデタ協力を決心した井田中佐(高橋悦史)は、天皇ならびに皇居を防衛する近衛師団の第一師団長森中将(島田正吾)の説得に向かう。森さえ説得したならば、クーデタに協力する将校は各段に増えると踏んだからだ。一度は説得されかかるも、井田と入れ替わりで森と対面した畑中と航空士官学校の黒田大尉(中谷一郎)の発言によって森は断固拒否の姿勢を固める。クーデタを起せないと焦った二人は、森とその場にいた将校を殺害し、師団長命令を偽造して近衛歩兵連隊を指揮し、皇居を占拠するのだった。――

 ポツダム宣言の無保留受諾を昭和天皇が決めた14日の正午から、玉音放送が流された15日の正午までの24時間、これが『日本のいちばん長い日』というタイトルの由来です。終戦にあたって内閣でいろいろ会議をしたり、昭和天皇が玉音放送を録音したり、陸軍の青年将校たちがクーデタを計画し、それを実施したり(宮城事件)、「国民神風隊」が首相官邸や鈴木邸などを襲撃したり、出来事盛りだくさんの24時間。それをテンポよく描き切っています。日本史に疎いので「宮城事件」のことは初めて知りました。そういう意味で勉強になるのですが、別にこれが日本じゃなくて別の国の話でも見入ってしまうだろうほどには面白いストーリーになっています。イデオロギーが頭にとりつくと、一つのことしか見えなくなってしまうのだなというのが恐かったです。
 それにしても、なんとも豪華すぎるキャストです。監督は岡本喜八、脚本は橋本忍、笠智衆、三船敏郎、志村喬、加藤武、土屋義男、佐藤允、小林桂樹、加山雄三、ナレーターに仲代達也、などなど、本当に枚挙に暇がないほどの人びと。映画の一大プロジェクトですね。女性や子供はほとんどでてきません。男臭く、非常に骨太な映画になっています。一番印象深かったのは、クーデタの首謀者である畑中役の黒沢年男ですかね。懇願するのも、脅すのも、普通の会話も、セリフがほぼ叫ぶようで、終始眼をひんむいたりしていたからでしょうか。
 ともかく、素晴らしい映画でした。
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