FC2ブログ
2018
0729
Sun
tb* 0
com*0

『隠し砦の三悪人』レビュー

 第二十八回目のレビューは、春学期(おそらく)最後の上映会で流した『隠し砦の三悪人』(黒澤明、1958年、139分)についてです。普段は上映会で流した映画のレビューは書かないのですが、黒澤明なので。


 ストーリーは以下。
 いつも口喧嘩ばかりの太平(千秋実)と又七(藤原釜足)は、百姓ながら褒賞を期待して秋月家と山名家の戦に参加するが、何もできないまま秋月の城は落ち、勘違いから山名の捕虜にされてしまう。夜、捕虜たちの反乱に乗じて二人は逃亡し、自分たちの村へ向かう途中のある谷でひょんなことから秋月の紋章が入った金の延べ棒を見つける。そこに、謎の屈強な男(三船敏郎)が現われ、二人の帰郷のための賢い計画を聞き、二人を隠し砦に連れて行く。男は秋月方の名うての侍大将、真壁六郎太であり、隠し砦には城から落ち延びた秋月の後継者雪姫(上原美佐)や重臣たちが潜んでいた。しかし、太平と又七はそれを知らぬまま、六郎太のことを金目当ての男としか思っていない。紆余曲折あり、六郎太は雪姫とともに、太平と又七を金で釣りながら、秋月再興のための軍資金を同盟している早川の領地へ運び出す旅に出るが、道中はさまざまな困難が待ち受けるとともに、百姓二人も一筋縄ではいかない。はたして、一行は無事に早川領へ逃げ延びることができるのか。――


 娯楽色が強い作品ですが、しかし黒澤明のヒューマニズムもところどころで見ることができます。戦国の世に、家を継ぐため男のように育てられた雪姫。わがままで男勝りにふるまいますが、道中、さまざまな人の世を見ることによって次第に成長していきます。彼女の純粋なふるまいには時々ホロリとさせられてしまいました。さて、演ずるのは上原美佐。ヒロイン役を決めるオーディションに4000人集まったにもかかわらず、そこでは決まらず、結局東宝の社員がスカウトしたのが彼女。短大の女学生で演技経験はゼロ。雪姫は正体がバレないように、道中は唖としてふるまうことになっていますが、これは演技の下手さをカバーするためというのを聞いたことがある気がしますが、どうなのでしょうか?
 さてさて、黒澤作品は『荒野の七人』(ジョン・スタージェス、1960年、128分)や『荒野の用心棒』(セルジオ・レオーネ、1964年、100分)、『ゴッドファーザー』(フランシス・フォード・コッポラ、1972年、178分)などさまざまな映画に影響を与えていますが、本作はあの『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(ジョージ・ルーカス、1977年、125分)に影響を与えているそうです。レイア姫は雪姫の影響を、C‐3POとR2‐D2は太平と又七から影響を受けているといいます。ルーカス自身、黒澤映画が大好きらしく、ライトセーバーのシーンも黒澤映画のチャンバラのオマージュがところどころあるそうです。また、オビ=ワンと「エピソード6」でのアナキン・スカイウォーカーを三船敏郎にオファーしたそうですが、三船敏郎は断ったそうです。まあ、「スター・ウォーズ」は7と8しか観たことがないので、よくわかりませんが……
スポンサーサイト
comment
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
trackback
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック