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『グランド・ブタペスト・ホテル』レビュー

 もう少しで夏休みです。
 第二十七回目のレビューは『グランド・ブタペスト・ホテル』(ウェス・アンダーソン、2014年、100分)についてです。最近『犬ヶ島』(2018年、105分)という日本を舞台にしたストップ・モーション・アニメーション映画を製作したことでも話題のウェス・アンダーソン。それで名前を知ったので彼の代表作とされている本作を観たのですが、とってもよい映画でした。

 ストーリーは以下。
 ヨーロッパの左端にある(架空の)ズブロフスカ共和国が舞台。一人の女性が旧ルッツ墓地にある偉大な作家の銅像の前で『グランド・ブタペスト・ホテル』という本を開く。時は遡り、1985年、作家(トム・ウィルキンソン、〔若い時〕 ジュード・ロウ)は1968年に、ズブロフカ・アルプス麓の町ネベルスバートにある「グランド・ブダペスト・ホテル」でゼロ・ムスタファ( F・マーリー・エイブラハム、〔若い時〕トニー・レヴォロリ)という移民でありながら国一番の富豪になり、ホテルのオーナーでもある男から聞いた話を思い出す。ゼロの話は1932年に遡る。この年は、素晴らしいホテルとして名をはせる「グランド・ブタペスト・ホテル」に彼がロビー・ボーイとして勤務した年であった。そこには卓越したサービスを行なうとともに、裕福だが孤独な老女を性的に満足させることにも長けたグスタフ・H(レイフ・ファインズ)というコンシェルジュがいて、多くの富豪たちが彼のもとに集い、ホテルは栄華を極めていた。そんな中、グスタフに慰められていた老女の一人であるマダムD(ティルダ・スウィントン)の死亡記事が新聞に載り、グスタフはゼロをお供に、マダムDの邸宅であるルッツ城へ向かう。そこには、マダムDの莫大な遺産を目当てに、多くの親戚たちが集っていた。遺言書が開示されると、グスタフは「少年と林檎」という非常に価値のある絵画を相続することになるが、マダムDの長男であるドミトリ(エイドリアン・ブロディ)はそれを不服とし、グスタフを城から追い出そうとする。グスタフは城の執事であるセルジュ(マチュー・アマルリック)の協力を得て絵を盗み出し、ホテルに隠すが、すぐにマダム殺害容疑で逮捕され、犯罪者拘留所に収容されてしまう。明らかな冤罪であった。グスタフは拘留所内でも巧みに立ち振る舞い、脱獄をもくろむ。はたして、グスタフとゼロは疑惑を晴らし、マダムD殺害の犯人を捕まえることができるのか――

 まず特徴的なのが美術。建物から小道具から内装から衣装から映画に出てくるなにからなにまで可愛らしく、ポップかつシックにデザインされていて、映画の世界に難なく入り込むことができます。アカデミー賞の美術賞・衣装デザイン賞・メイキャップ&ヘアスタイリング賞などを受賞しているのですが、納得です。これを観るだけでも価値があります。しかもそうした美術世界の中でなかなか残酷な・ブラックなことがしばしば起こるのも面白いです。一方で、上記の美術とは裏腹のテンポの良い、王道のストーリー。これでもう画面にくぎ付けになること間違いなしです。
 さて、俳優陣を見てみますと、なんとも豪華。グスタフを演ずるのは、結構前に『シンドラーのリスト』でも紹介したレイフ・ファインズ。「ハリー・ポッター」シリーズの「ヴォルデモート」でおなじみです。老年期のゼロ・ムスタファを演ずるのは『アマデウス』(ミロス・フォアマン、1984年、180分)でサリエリを演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞した F・マーリー・エイブラハム。マダムDの長男ドミトリーを演じたのは『戦場のピアニスト』(ロマン・ポランスキー、2002年、150分)でアカデミー賞主演男優賞を受賞した(最年少受賞)エイドリアン・ブロディ。他にもジュード・ロウとかエドワード・ノートンとか、『レディ・バード』(グレタ・ガーウィグ、2017年、93分)の主演のシアーシャ・ローナンなども出演しています。
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