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『フェリーニのアマルコルド』レビュー

 第二十回目のレビューは『フェリーニのアマルコルド』(フェデリコ・フェリーニ、1973年、125分)についてです。『道』、『カビリアの夜』、『8 1/2』、『フェリーニのアマルコルド』の四作でアカデミー賞外国語映画賞を、『甘い生活』でパルム・ドールを受賞した、イタリアを代表する映画監督フェデリコ・フェリーニ。本作は最近4Kリマスター版のDVDが出たようで、さっそく「ツタヤ発掘良品」が取り上げていました。イングマール・ベルイマンの諸作品など、「ツタヤ発掘良品」にはいろいろとお世話になっています。珍しい作品が多いので、みなさんもぜひ一度棚を見てみてください。


 ストーリーは以下。
 北イタリアのリミニという港町。春一番が吹き荒れて、雪のような綿毛が町中に舞い上がる。この町に住む少年チッタ(ブルーノ・ザニン)は悪童仲間と一緒にいたずら三昧の一方、ゲイリー・クーパーに憧れる町一番の美女のグラディスカ(マガリ・ノエル)や煙草屋の女主人など、女のことで頭がいっぱい。世間ではムッソリーニのファシスト党が政権を握り、うっかり反ファシスト的発言をした父(アルマルド・ブランチャ)は拷問を受けてしまうが、なんとか事なきを得、相変わらず季節は巡る。精神病院を退院した叔父さんと農場へ出かけたり、豪華客船レックス号を一目見るために町総出でボートを漕いだり、カーレースを見物したりと、平和な夏と秋を過ごす。冬、記録的な大雪に紛れて、伯爵家から逃げ出した孔雀、そして大切な人との別れ。チッタとその家族を中心に、リミニに住む人々の一年間を美しく描く。――


 リミニというのはフェリーニの生まれ故郷らしく、チッタにはフェリーニ自身が投影されているようです。一応チッタを中心としていますが、町のさまざまな人々に焦点が当たります。ストーリー自体は単調で、オチがない挿話が多いのですが、どこか懐かしいような、ホッとするような、そういう雰囲気が映画の隅々まで流れています。タイトルの「アマルコルド」とは「私は覚えている」という意味だそう。日常生活というのは、劇的なことは何もないけれど、あとになっても何となく「覚えている」ものなのでしょうね。とはいえ、フェリーニのセンスが炸裂するシーンも多いです。群衆を描くのが非常に上手い。あと色使い、フェリーニのカラー映画を観たのは初めてですが、とても素晴らしかったです。『甘い生活』や『8 1/2』に特徴的なマルチェロ・マストロヤンニや絶世の美女、都会の喧騒などは廃されていますが、これはこれでとてもよいです。

 本作はチネチッタという、ローマ郊外にある映画スタジオで撮影されました。他にもこの映画スタジオでは上にも挙げた『道』や『甘い生活』、『8 1/2』などのフェリーニ作品、『ローマの休日』(ウィリアム・ワイラー、1953年、118分)や前に紹介した『ギャング・オブ・ニューヨーク』(マーティン・スコセッシ、2002年、167分)、最近では『テルマエ・ロマエ』(武内英樹、2012年、108分)なども撮影されたようです。映画ファンなら一度は訪れたい地ですね。
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