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新歓で上映する映画の紹介

 新歓で上映する映画の紹介レビューです。

・『夜は短し歩けよ乙女』(湯浅政明、2017年、93分)
13日(金) 3A204 にて上映。

原作は森見登美彦の同名小説。山本周五郎賞受賞、直木賞候補、本屋大賞第二位と、ストーリーの面白さは保証されていて、しかも監督の湯浅政明は同作家の『四畳半神話体系』という小説をTVアニメ化して高い評価を受けた人でもあるので、映画の出来は折り紙付きというわけです。昨年の十月に映研の上映会で流したのですが、部員みんな満足気でした。劇場で観なかったことを悔やむ一作。大学生の物語というのも新歓にピッタリだな~と。

 ストーリーは以下。
 サークルの後輩で自由気ままな「黒髪の乙女」(声、花澤香菜)に想いを寄せる「先輩」(声、星野源)は「なるべく彼女の目にとまる」、いわゆる「ナカメ作戦」を実行することしかできない奥手な男。ある夜、二人は、さまざまな人や物との縁に導かれて、先斗町という花街では「偽電気ブラン」というお酒をめぐる騒動に、古本市では『ラ・タ・タ・タム』という絵本をめぐる騒動に、学園祭では未公認のゲリラ演劇『偏屈王』をめぐる騒動に、そして京都市全体に蔓延する風邪をめぐる騒動に巻き込まれる。こんな中で、はたして、「先輩」の恋は成就するのか。――

原作では春・夏・秋・冬と一年をかけた話らしいのですが、映画ではギュッとして一晩の物語にしているのがポイントです。しかもそれを93分にまとめているので、とにかくテンポが速い。次々と奇怪なことが起こってにぎやかです。しかも、一目見ればわかりますがふつうのアニメ絵とは違い、ポップでシュールな画調。こうしたものが相まって独特の世界観を作り出しています。京大ならこんな大学生活がありえたんでしょうかね……
 大学生が主人公の映画はほかにも、タイムマシンを手に入れたSF研究会のメンバーが、壊れてしまったエアコンのリモコンを取りに昨日にタイムトラベルする『サマータイムマシン・ブルース』(本広克行、2005年、107分)や、留年回避のためにしかたなく大学相撲を始めた主人公(本木雅弘、若い!)が相撲の魅力に眼ざめていく『シコふんじゃった。』(周防正行、1992年、105分)などがおすすめです。


・『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(ロバート・ゼメキス、1985年、116分)
17日(火) 3A204にて上映。

 映画のお手本のような映画。伏線を丁寧に張って、丁寧に回収するストーリーは見事としか言いようがありません。しかも随所にユーモアをちりばめて、小ネタもちりばめて……ほんとうに見事です(しかもパート2ではこのストーリーの裏にもう一つのストーリーを作ってしまいます)。これを最初に観た時の驚きと喜びといったら、すごいものがありましたね。素晴らしい映画です。

 ストーリーは以下。
 ヒル・バレーに住むマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)は、ミュージシャンを目指すごく普通のハイスクール生。ある日、マーティは、友達の変人科学者「ドク」ことエメット・ブラウン博士(クリストファー・ロイド)に呼びだされ、彼が発明した「次元転位装置」とそれを積みこんでタイムマシーンとして改造されたデロリアンを目の当たりにする。そこに、リビアの過激派が襲撃してくる。というのも、「次元転位装置」に必要な電力を発生させるためのプルトニウムを、ドクは彼らからだましとっていたからだ。あえなく銃で撃たれて死んでしまうドク。マーティは隙を見てデロリアンに乗り込んで彼らから逃げるが、その最中「次元転位装置」が作動してしまい、30年前、つまり1955年にタイムスリップする。あてもなくヒル・バレーをさまようマーティは、ひょんなことから30年前の父親であるジョージ(クリスピン・グローヴァー)に母親であるロレイン(リー・トンプソン)が惚れるきっかけを邪魔してしまい、むしろ自分がロレインに惚れられてしまう。そんな中、マーティは1955年のドクと出会い、助けを求めるが、父親と母親が結ばれるようにしなければ、自分が生まれてこないことを告げられてしまう。はたして、マーティはジョージとロレインを上手く結ぶことができるのか、そして無事に未来へ帰ることができるのか。――

 とはいえ、本作を観たという人も多いはず。「わざわざもう一回観るのは別に……」と思った人も多いのでは? そんな方へ、もう一度観たくなる小ネタ集を映研の部誌「カチンコ」新歓号に載せましたので、もらってぜひご覧になってください。
 本作が気に入った人には、同じゼメキス監督作でアカデミー賞作品賞・脚色賞他を受賞した『フォレストガンプ/一期一会』(1994年、142分)がおすすめです。愛すべき偉大なマヌケ(Gump)男の半生を描いた大作。こちらも脚本がとっても練られている映画で、小ネタふんだんです。普通に観ても感動しますが、アメリカ現代史を勉強すればもっと感動できるのだと思います。


ダンケルク』(クリストファー・ノーラン、2017年、106分)
20日(金) 2A313にて上映。

 結末から始まりへ、時系列を逆向きにする手法を用いた『メメント』(2000年、113分)、みんな大好き『ダークナイト』(2008年、153分)を含めた「バットマン三部作」、夢に侵入する産業スパイを描いた『インセプション』(2010年、148分)、人類の新天地を探すために宇宙を旅する『インターステラー』(2014年、169分)といった数々の話題作を世に送り出してきたノーラン。次もSFかなと思っていたら、まさかの実話をもとにした戦争映画というので驚きました。しかも、描くのは撤退作戦。実話ベースだからストーリーが制限されるし、撤退作戦じゃ派手さに欠けそうだし、上映時間も短い。大丈夫かなと思っていたら、さすがはノーラン、予想をはるかに上回る素晴らしい映画になっています。

 ストーリーは以下。
 陸。ドイツ軍の攻撃から逃れ、命からがら撤退作戦中のダンケルクの海岸へやってきたトミー(フィン・ホワイトヘッド)は、砂浜で死体を埋葬している無口な兵士ギブソン(アナイリン・バーナード)と出会う。彼らはダンケルクから脱出するためにいろいろと画策するが、船が空爆で沈没するなど、なかなか脱出することができない。
 海。イギリスのドーセットの港で自身の小型船を徴用されたドーソン(マーク・ライランス)は、息子のピーター(トム・グリン=カーニー)とその友人のジョージ(バリー・コーガン)とともに、ダンケルクにいる兵士たちを救出に向かう。
 空。空爆によって撤退作戦を妨害しようとするドイツ空軍機を撃墜すべく出撃するファリア(トム・ハーディ)。しかし、仲間の機体が次々と敵軍機に撃墜され、ついに彼ひとりになってしまう。
 はたして、ダンケルク撤退作戦は成功するのか。――

 この映画は一つの仕掛けがありまして、トミーとギブソンを描く(陸の)一週間、ドーソンらを描く(海の)一日、ファリアを描く(空の)一時間、というふうに、それぞれからの視点の物語がめまぐるしく切り替わっているのです。これら三つの物語、異なる三つの時間が一つに収束した時のドキドキと感動といったら、とてつもないものがあります。戦争映画というよりは、サバイバルサスペンスですね。これこそほんとに劇場で観たかった……

 本作が気に入ったのなら、上に挙げた他のノーラン作品や、第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦を圧倒的なスケールで描いた『プライベート・ライアン』(スティーヴン・スピルバーグ、1998年、170分)がおすすめです。
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