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『未来を生きる君たちへ』レビュー

 第十回目のレビューはアカデミー賞外国語映画賞受賞作、『未来を生きる君たちへ』(スサンネ・ビア、2010年、118分)です。デンマークの映画でした。デンマーク映画はじめて観ました。デンマーク……スカンジナビア半島? ムーミン? スウェーデンの隣? ぐらいの知識しかないです。
 とてもいい映画でした!! ストーリーがまず素晴らしいのと、ところどころドキュメンタリー風のカメラワークで臨場感や緊張感が満点、またデンマークやアフリカの自然も堪能できます。あと、クリスチャンがめっちゃくちゃ美少年なのも特筆すべき点ですね。演技もとても素晴らしいです。大人たちはもちろん、子役の二人や難民キャンプのアフリカ系の人びともとっても自然な演技をしていて、カメラワークと相まって、ドキュメンタリーかと錯覚することもしばしばでした。

 ストーリーは以下のよう。
 ガンで母を亡くしたクリスチャンは、父とともにロンドンから父方の祖母の住むデンマークへ越してくる。彼は転校先の学校でエリアスと仲良くなるが、エリアスは気弱で、ソフスらからいじめを受けている。そのいじめに巻き込まれたクリスチャンは、ソフスを不意打ちで襲撃し、大怪我を負わせる。警察沙汰になるが、ソフスにも非があるため、互いに和解し、いじめは止む。
 ある日、エリアスの父アントンは、エリアスとその弟、そしてクリスチャンを連れて遊びに出かけるが、そこでラースという男と些細なことから揉め、理不尽に殴られる。クリスチャンは、彼の職場を突き止めて、エリアスとともにアントンに報復をすすめる。アントンは子どもたちを連れてラースの職場に向かい、彼に殴った理由を訊ねるが、ふたたび理不尽に殴られる。しかし、アントンは決して仕返しせず、報復の無意味さを子どもたちに教えるが、クリスチャンは納得しない。
 舞台は変わってアフリカのとある難民キャンプ。そこではアントンが医師として働いている。近辺では、「ビッグマン」という男が、妊婦の腹を切り裂いたり、子供を殺したりと極悪非道な所業を繰り返していた。そんな中、その「ビッグマン」が一味を引き連れて難民キャンプを訪れ、負傷した脚の治療を求める。キャンプに住む人びとや同僚医師は、治療を拒否して追い出すことをすすめるが、アントンは治療を引きうける。
 ふたたびデンマーク。家の倉庫で大量の花火を見つけたクリスチャンは、その火薬を使って爆弾を作り、ラースの車を爆破して報復することを思いつく。エリアスは悩むが、しぶしぶクリスチャンに協力する。――

 こうして書いてみると、クリスチャンが血気盛んな不良少年に感じられますが、むしろ理知的で物静かな少年です。ただ、母が死んで愛情を受けられなくなったことと、母の延命治療を拒否した父のその行動について複雑な想いを抱いていることから、上記のような行動に走ってしまうのです。
 さて、本作の原題はデンマーク語で「復讐」を意味するらしいです。英題は”In a Better World”、日本語題は『未来を生きる君たちへ』。洋画のタイトルをどうするかというのは一つの重要かつ難しい問題ですが……『未来を生きる君たちへ』、どうでしょうか? 結構いいタイトルだと個人的には思います。
  
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