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『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』レビュー

 第八回目のレビューは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(ポール・トーマス・アンダーソン、2007年、158分)。ダニエル・デイ=ルイスが石油王の生涯を演じ切り、アカデミー賞の主演男優賞を獲得しています。彼はその他『マイ・レフトフット』(ジム・シェリダン、1989年、103分)、『リンカーン』(スティーブン・スピルバーグ、2012年、150分)で同賞を受賞しており、同賞を三度受賞しているのは彼ひとりだそう。

 ストーリーは以下のよう。
 20世紀初頭のアメリカ西部。油田を探し求めるダニエル・ブレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)とその息子H・Wのもとに、一人の男がやってくる。男は牧場を経営するサンデー家の長男ポールで、自分の家のサンデー牧場から石油が採れるかもしれないという情報をダニエルに売りに来たのだ。ダニエルとH・Wはサンデー牧場を訪れ、家長エイベルとポールの弟イーライと交渉して、サンデー牧場の土地を買い、試し掘りを始める。見事に石油は掘り当てられたが、すぐさま爆発事故が発生し、採掘場にいたH・Wは爆風で地面に叩きつけられ、聴力を完全に失う。また、採掘の成功が報じられると、ヘンリーという男が現われ、自分は腹違いの弟だとダニエルに告げる。目まぐるしく変わる状況の中、ダニエルは石油の輸送用パイプラインを設置するため、さらに土地を買い占めてゆく。――

 あらすじだけだとちょっとわかりづらいですが、本作では、ダニエルの生涯において、息子H・W、サンデー家の次男で「第三の啓示教会」の牧師を務めるイーライ、腹違いの弟だというヘンリー、これら三人の人物との関わりに特に焦点が当てられています。さて、原題はそのまんまの”There Will Be Blood”。これは「出エジプト記」の記述に由来するようです。イーライとの関わりは、ダニエルと宗教との対決を意味しています。また、H・Wとヘンリーとの関わりは、ダニエルと血縁としてのbloodとの関わりを意味しています(もちろん殺人のメタファーとしての血でもあります)。タイトルと映画内容が上手い具合にリンクしているのです。
 その他、アメリカの広大な自然がたっぷりと描かれていて、とてもよかったです。

 ポール・トーマス・アンダーソンとダニエル・デイ=ルイスは、2017年に公開されアカデミー賞にもノミネートされた『ファントム・スレッド』で再びタッグを組んでいます。これも観てみたいですね。
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