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『団地日和』レビュー

 1963年に筑波の地に研究学園都市を建設しようという計画が始まりまして、われらが筑波大学はその十年後に開学します。その他研究所やら国の施設やらが続々と建設されて、人がたくさん流入するようになりますと、当然必要になってくるのが住居。そこで団地も同じように続々と建設されます。駅周辺を散歩していると、よく団地を見るのですが、それは筑波が開発された土地というのが理由です。
 人がほとんど住んでいなかったり、築年数もだいぶ経っているようなので、徐々に取り壊されていくのでしょうが、そんな昭和と経済発展の遺物である団地は、どことなく魅力的。「団地っていいな……」、そう思う人びとの気持ちが結集して一つの映画が作られました。それが『団地日和』(仁田美帆、2008年、65分)です。主演、団地。という、世界でも類をみないであろう一作。

主演は
 ひばりが丘団地
 阿佐ヶ谷住宅
 百草団地
 草加松原団地
 海岸通団地
 赤羽台団地
の六つの団地。それぞれ十分程度フォーカスされます。どの団地も1960年前後に建てられているようで、今は取り壊されたり、建て直されたりしているそうです。そういう意味では、本作はとても貴重な映像資料でもあります。

 この映画、オーディオ・コメンタリーがついていまして、それをつけると、本編で説明されずにスルーされる部分の詳しすぎる解説を聞くことができます。本作のコンセプト・コンディショナー(どういう役職なのか?)、UR都市機構の人、サイト「公団ウォーカー」の中の人(いろいろな団地のきれいな写真を豊富に取り揃えているサイト。外観だけなら、本作よりもこちらを眺めた方がいいかもしれません)、司会の女の人、これら四人が話してくれます。面白いのが、盛り上がるおっさん三人と、司会の女の人の温度差です。興味ない話を聞くときの相槌の感じが笑えます。

 さらに、この映画には特典映像として、『団地への招待』という1960年に撮られた映像が収録されています。
 1960年といえば、ちょうど団地が造成され始めてきた頃。団地生活が庶民の憧れだった時代です。

 新婚カップルのお嫁さんの方のお兄さん夫婦が、ひばりが丘団地に住んでいるので、そこへたずねて団地生活がどういうものかを予習し、自分たちがどのような生活を築いていくべきかを楽しく考える、というのがストーリー。17分程度ですが、意外と内容は濃く、これを見るだけで団地生活中級者になれるのではないかというなかなかのシロモノです。ようやく普及し始めてきた各種家電なども登場しまして、THE昭和生活という感じでした。

 と、まあ第三回目のレビューは団地映画でした。映画っていうのは幅が広くてやっぱり面白いですね。
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